ヤマザキマザック博物館を見学しました

岐阜県美濃加茂市のヤマザキマザック工作機械博物館を見学しました。
以前から、機会があれば訪問してみたいと考えておりましたが、今回、大垣市のソフトピアさんへ訪問する用事がありましたので、足を延ばして訪問した次第です。
往きは、JRの美濃太田駅から長良川鉄道に乗り換えて、前平公園駅から徒歩で行きました。10分程歩きましたが、小高い丘のような地形の上に広い駐車場が広がっている中に、フランスのルーブル美術館を思わせるような、ピラミッドのような四面錐の建物が見えて、ここが博物館の入り口です。
入り口で入館料を払って、中に進むと、エレベーターで地下2階に進むように案内されます。そう、この博物館は地下にあるのです。
地下2階の博物館の展示を見ていると、博物館の関係者の方から「よろしければ、ご案内しましょうか?」と声をかけて頂きました。昨年までヤマザキマザックに勤務されていた社員さんだそうで、定年退職後に、博物館で説明員をされているそうです。
説明員の方に、博物館地下2階の入り口付近にある博物館のジオラマを見ながら、全体の構造を教えて頂いて分かったのですが、この博物館はもともとは工作機械を作るための工場だったそうでして、小高い丘だと思っていたのは、工場を地中に埋めるための人工的な盛り土なのだそうです。
盛り土して工場を地下構造にした理由ですが、工作機械は機械を作るための機械のため、元の工作機械から作られた機械の精度よりも高い精度の機械を生み出せないため、元の工作機械にはとても高い精度が求められるのだそうです。このため、工作機械の部材となる金属が温度変化で伸び縮みすると精度に悪影響が生じるため、工場内は常に同じ温度が保たれるのが理想的な環境なので、それを実現するためにわざと地下空間の工場にしたそうです。
博物館内には、歴史的な工作機械から、最新の多軸加工機やレーザー加工機まで展示されているほか、工作機械から生み出された蒸気機関車、フォード自動車、飛行機などの工業製品も展示されていました。
主にお子さん向けの「モノづくり体験室」では、工作機械を使って文鎮作りなどを体験できるそうです。
とても印象的だったのは、18~19世紀のイギリスやアメリカの工作機械が展示されていましたが、幕末から明治期にかけて、日本の近代化を進めるうえで、工業製品を何とか日本で作れるようにしたいと先人が努力し、先ずは工作機械も輸入し、輸入した機械の構造を模倣したり、技術供与を受けて、今の工作機械の基礎となる技術を培っていったことが体感できたことです。
ものづくりの技術に興味をお持ちの方は、是非見学されることをお勧めします。
ヤマザキマザック工作機械博物館
〒505-0037
岐阜県美濃加茂市前平町3-1-2